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第353回 名古屋フィルハーモニー交響楽団 定期演奏会

<ツァラトゥストラ・シリーズ> -8- 夜のさすらい人の歌

ピアノ フィニーン・コリンズ *
ソプラノ 星川美保子 **
語り 松本宰二
指揮 下野竜也
管弦楽 名古屋フィルハーモニー交響楽団

プログラム
アダムズ ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン
フォーレ ピアノと管弦楽のためのバラード嬰ヘ長調 作品19 *
シューベルト 幻想曲ハ長調 D.760 作品15 「さすらい人」 *
ベートーヴェン 劇音楽「エグモント」 作品84 全曲
 序曲
 クレールヒェンの歌「出陣太鼓は鳴り渡る」 **
 幕間音楽Ⅰ
 幕間音楽Ⅱ
 クレールヒェンの歌「喜びに満ち、哀しみに満ち」 **
 幕間音楽Ⅲ
 幕間音楽Ⅳ
 クレールヒェンの死
 メロドラマ
 勝利の交響曲

ソリストアンコール
シューマン ウィーンの謝肉祭の道化芝居「幻想的情景」 作品26 より 第4曲「間奏曲」


下野竜也は腰がキレていた。ミッキーマウスがタクトを振ったら、きっとあんなカンジだ。「ショート・ライド・イン・ア・ファスト・マシーン」を聞きながら思った。

フィニーン・コリンズは音がやさしくてやわらかいので、あいにく苦手なタイプのピアニストだった。ただし「さすらい人」のラスト、アレグロのあたりの尋常ではない指の速さにはギョッさせられた。それにアンコールがあったので、好感度は無条件に上昇♪

劇音楽「エグモント」では指揮者の右手に座り、ものがたりを語るひとがいた。松本宰二氏、こちら松本幸四郎とはまったく関係なし? 口調が似ているだけか?

「エグモント」のストーリーはほんとにつまらなそうだった。現代人で日本人で女という三重苦のわたしにはまったく理解できない。あらましを聞いただけなのに、主人公エグモントが心底きらいになった。自分の感受性はちと極端かもしれない。

曲も、というより下野竜也氏の指揮もいまいちのれなかった。ピリッとしない。気がつくとぼんやり聞き流していた……という感じ。でも星川美保子のソプラノが集中をかきたててよかった。ちいさい声もよく響いていた。と、思う。聞きとりやすくて、すっきりしていて、好きな声だ。

今年はこれでおしまい。特によかったと思うのは一月のウィーン・フォルクスオーパー交響楽団や、七月の「こうもり」。今思い出しても、なにか特別な感じのするコンサートだった。